小児科について
感冒に伴う発熱、鼻水や鼻づまり、痰や咳、のどの痛み、腹痛、嘔吐、下痢、気管支喘息、便秘などの診察を行います。 またはっきりとした症状がないものの、お子さんの様子がおかしい、どこか体調が悪そうといった場合にもご相談ください。
当院は地域のみなさんのかかりつけ医です
当院は、市川市近郊のみなさんのかかりつけ医として、お子さんの状態を適切に診察し、分かりやすい説明と丁寧な対応を心がけます。そして保護者の方の不安を取り除けるようスタッフ一同務めて参ります。
また、病気だけでなく、お子さんの成長や発達、育児の悩みなどについても、遠慮なくお聞きください。
なお、詳しい検査や入院加療が必要なときは周辺の地域連携病院へ、また耳鼻咽喉科や眼科、外科などの疾患が疑われる場合は、それぞれの専門医をご紹介いたします。
受診時の注意点について
診療は原則として受付の順番通りに行いますが、緊急治療が必要なお子さんや、強い急性症状のお子さんがいるときは、診療の順番が前後することもあります。あらかじめご了承ください。
また、インフルエンザや風疹・麻疹、おたふくかぜ、水ぼうそうなど、周囲に感染を広げるおそれのある病気の疑いがある場合は、来院する前にお電話にて当院にお問い合わせください。
このような症状の方はご相談を
- 発熱(38℃以上)
- 水を飲んでくれない、おしっこが出ない
- 嘔吐や下痢が続いている
- 顔色が悪い
- なんとなく元気が無い
- ぐったりしている、意識がはっきりしない
- けいれんを起こした
- 発疹がある
- 咳や鼻水が続く
- 機嫌が悪い
- うんちに血が混じっている、色がいつもと違う
- 泣き方がいつもと違う
- 呼吸が苦しそう
など
よく見られる症状
風邪
主にウイルスによる上気道(鼻やのど)の炎症です。鼻水・鼻づまり、咳、発熱などの症状がみられます。個人差はありますが、1週間程度で自然によくなります。熱が下がらない、咳がひどくなってきた、耳を痛がるなど症状が長引く場合は受診するようにしてください。肺炎や中耳炎や細菌感染を合併している可能性があります。
熱が出た
お子さんが高熱になると、保護者の方はとても不安になるかと思います。しかし、単に熱が高いだけで脳にダメージが生じることは基本的にはありません。
比較的機嫌も良く水分もとれているようであれば、すぐに受診せずクーリングで様子をみてもよいでしょう。クーリングは体の中でも太い血管が走っている、首回りや足の付け根、脇の下などを氷嚢や水枕、保冷剤(ガーゼなどで包む)などで冷やしてあげましょう。
ぐずってなかなか寝付けない、熱によりお子さんがつらそうにしている時は、解熱剤を使用していただいても構いません。
しかし顔色が悪い、呼吸が苦しそう、意識がはっきりしない、水分がとれていない、おしっこが出ない、痙攣が続くといった症状が見られたときは、早めに受診するようにして下さい。
また3ヶ月未満のお子さんの場合は重篤な疾患が隠れている場合があるため、迷わず病院を受診してください。
胃腸炎
主にウイルスによるもので、突然の嘔吐や下痢で始まります。発熱することもあります。半日ほど繰り返し嘔吐し、徐々におさまることが多いです。その後下痢がみられ、1〜2週間くらい続くこともあります。嘔吐が落ち着くのを待って、少しずつ水分をとるようにしましょう。自然に治ることが多いですが、なかなか嘔吐がおさまらず、少量の水分でも繰り返し吐いてしまうこともあります。また腹痛が強く血便がみられるなど、症状が強い時は細菌性腸炎の可能性もあります。嘔吐がおさまらなかったり、お腹の症状が強い場合には、病院を受診することをおすすめします。
お腹が痛い
お子さんが訴える症状のうち、比較的多いのが腹痛です。
うまく症状を訴えることができないお子さんの場合には「おなかが痛い」と言っていても、おなか以外に原因があることもよくあるため注意が必要です。肺炎などの呼吸器疾患、ぜんそく発作、腎尿路の病気、食物アレルギーなど、さまざまな原因から腹痛を訴えていることも少なくありません。風邪の時に熱が上がる前に腹痛を訴えるお子さんもいます。
腹痛の原因は胃腸炎や便秘症のことが多いですが、腸重積や急性虫垂炎のように、緊急対応が必要なケースもあります。
腸重積は0〜2歳に多くみられ、腹痛と腹痛がおさまるのを繰り返します。(間欠的腹痛) まだ話せないお子さんは泣いて不機嫌になったり、泣き止んでケロっとしたりします。嘔吐やイチゴゼリー状の血便がみられます。すぐに病院を受診してください。
その他なんとなくお腹の痛みが繰り返されている場合、心理的な問題が隠れていることがあります。大人にとってはささいなことでも、子供にとってはお腹が痛くなるほどつらい体験となるケースも少なくないのです。
呼吸が苦しそう
お子さんが息苦しさを訴える病気として、気管支喘息やクループ症候群(喉の炎症により上気道が狭くなる)、肺炎や食物アレルギーによるアナフィラキシーが多いです。
また気管支喘息やその既往がないのに、突然、息苦しさを訴えたときは、気管内に異物(ピーナッツ、ボタン、たばこ、薬、おもちゃなど)が入ってしまった可能性があります。この場合は救急処置が必要ですので、早急に救急車を呼びましょう。
小児アレルギー
アレルギーでお悩みの方は
私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに体内に「抗体」がつくられ、これら外敵をやっつけようとする「免疫」という仕組みがそなわっています。ところがこの免疫の仕組みが、食べ物や花粉など通常は無害な物質に対して過剰に反応しさまざまな症状を引き起こすのが、アレルギーです。
アレルギー疾患には気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・花粉症、食物アレルギーなどがあります。
主なアレルギー疾患
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
- 気管支ぜんそく
- アレルギー性鼻炎・花粉症
など
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アレルギー反応によって皮膚に炎症を起こす病気です。痒みのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。湿疹は左右対称性で、乳児期は顔や頭から湿疹が現れ、体や手足に広がり、幼小児期では頭やわきの下、肘や膝の裏側などから現れる傾向があります。
アトピー性皮膚炎の患者さんの肌は、バリア機能が低下し乾燥しやすい状態です。普段なら感じないような刺激で痒みが強くなり掻いてしまい、さらに湿疹を悪化させるという悪循環が起こりやすいです。
またアトピー性皮膚炎を悪化させる要因が知られています。(細菌、カビ、ダニ、ペット、汗、ストレスなど)
アトピー性皮膚炎の治療は、
- 適切なスキンケア(皮膚を清潔に保ち、皮膚のうるおいを保つ保湿)
- 薬物療法(湿疹に対しステロイド外用薬を中心とした炎症を抑える治療)
- 原因悪化因子の除去
です。 正しい治療を行うことで症状をコントロールして、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。
適切なスキンケアを行い皮膚のバリア機能をしっかりと保つことが大切です。またステロイドの副作用について心配される方が多いと思いますが、ステロイド外用薬は内服に比べて全身性の副作用は少ないことが知られています。うぶ毛、ニキビができたり、皮膚が薄くなったりすることもありますが、使用量が少なくなると改善します。
また痒みが強い場合は抗アレルギー薬を内服することもあります。
食物アレルギー
原因となる食べ物を摂取して引き起こされるアレルギー症状です。主な症状は、じんましんなどの皮膚症状です。目のかゆみ、口の中の違和感などの粘膜症状、くしゃみや喘鳴などの呼吸器症状、腹痛や嘔吐、下痢などの腹部症状がみられることがあります。
これらの症状がいくつか同時に現れるのがアナフィラキシーです。これに血圧低下、意識を失うなどを伴う場合、アナフィラキシーショックとよばれ命にかかわる危険な状態です。
乳幼児では卵・乳製が代表的ですが、小麦・大豆・ピーナッツ・果物・甲殻類など様々な食べ物が原因となります。
診断は
- 症状が出た時に何をどれくらい食べたか、食べてどのくらいでどんな症状が現れたか、などを詳しく聞いていきます。
- 血液検査で原因と考えられる食物に対するIgE抗体を測定します。
原因食物が見つかったら、その食物をどのように除去するか、どのように慣らしていくのかを考えながら治療を進めていきます。以前は原因食物を完全除去するのが基本でしたが、今は必要最低限の除去がスタンダードです。症状が出ない量を食べられる範囲で食べていく、ということです。
乳幼児の場合は成長とともに消化管機能が成熟し、消化力が発達して、次第にアレルギー症状が軽くなり、原因食物が食べられるようになるケースもよくあります。ただピーナッツ・そば・甲殻類などのアレルギーは耐性が獲得しにくい食物といわれています。
またアナフィラキシーを経験したことがある方に関しては、誤食などの不測の事態に備えるため、エピペン(アナフィラキシーの補助治療を目的とした自己注射薬)を所持していただくことが可能になり、当院でも処方しております。
気管支喘息
空気の通り道である気管支にアレルギー性の炎症が起こり、それにより気管支が狭くなり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す病気です。気管支喘息では発作がない時でも気管支が過敏になっている状態で、ダニやハウスダストなどのアレルゲン、ウイルス、タバコ、冷たい空気などの刺激によって気管支は狭くなります。そうなると、咳が出たり、息苦しくなったりします。
3歳未満のお子さんはもともと気管支が狭いので、風邪を引いて気管支に炎症が起こり、痰などの粘液物により気管支がより狭くなり喘鳴がみられることがあります。喘息によるものか気管支炎になっただけで、咳や喘鳴があらわれることがあります。これを喘息性気管支炎といいます。1回ゼーゼーしただけで気管支喘息とは診断しません。
風邪を引いていないのに何回もゼーゼーを繰り返したり、アレルギー体質があったり、ご家族の方でアレルギー疾患があるかなどを検討しながら経過をみて喘息かどうか判断していきます。また喘息以外にも喘鳴を引き起こす病気があるため、そういったことも確認する必要があります。
気管支喘息の治療は薬物療法だけでなく、喘息の原因となっているアレルゲン(ハウスダスト・ダニ・カビ・ペットの毛やフケなど)や悪化因子(風邪などの感染症・天候・大気汚染・タバコの煙・激しい運動・ストレスなど)への対策も大切です。
発作を予防する治療:気管支の炎症を抑える薬で吸入ステロイド薬、ロイコトリエン拮抗薬などがあります。これらの薬は発作がなく落ち着いている時も飲み続けることが大切です。
発作が起きた時に抑える治療:気管支を広げて呼吸を楽にする薬で吸入、内服、貼り薬があります。
これらの薬をガイドラインに準じて治療を進めていきます。
アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー症状を引き起こす原因物質を吸入することで、鼻粘膜に炎症が起こる病気で、季節性のアレルギー性鼻炎と通年性のアレルギー性鼻炎があります。
季節性のアレルギー性鼻炎は特定の季節に植物の花粉が原因で起こります。通年性のアレルギー性鼻炎の主な原因はハウスダストです。ペットの毛やフケ、ダニ・カビも原因となります。
アレルギー性鼻炎の特徴的な症状は水様性鼻汁(さらさらした鼻水)、鼻づまり、くしゃみです。目のかゆみが出ることもあります。
お子さんの場合、ウイルス感染を繰り返すことにより鼻の症状を繰り返していたり、長引いていることも多いので、風邪による症状なのかアレルギー性の症状なのか区別することが難しい場合もあります。また気管支喘息やアトピー性皮膚炎を合併していることが多いです。
治療は重症度に応じて抗アレルギー薬の内服や点鼻薬などで症状を抑えていきます。アレルギー性鼻炎の症状を軽くするために、マスクやメガネの装着や定期的に部屋の掃除をするなど、アレルゲン(花粉、ハウスダストやダニなど)になるべく触れないようにすることも大切です。